膝を曲げると痛い症状の原因や病名は?



膝は生活する中でかなりの使用頻度で、そこが使えなくなってしまうと日常生活がままならない状態になってしまうほど重要な役割を担っています。
立つ・座るをはじめとして、歩く・階段昇降など生活にはなくてはならない動作です。

しかし、そんな膝関節は痛みが出やすい関節としても知られています。実際スポーツ損傷であれ、変性疾患としても膝関節で起こることが多いことがわかります。
では一体、曲げた時に痛みにはどのようなことがあるのでしょうか?

膝が痛い

膝の役割

そもそも膝にはどのような役割があるのでしょうか?
一般的には、大きな可動域を有し、身体を支えるためのパワーを秘めた関節と言われています。
実際そうで、立ち上がる、歩く、特に階段昇降ではかなりの力が求められる動作であり、正座や階段昇降では十分な可動性が必要とされます。もちろん荷重関節と言って体重と重力が膝に集まってくるので、その負荷を分散させるための機能も有していなければいけません。

そのため、膝関節は筋肉や腱・骨・軟骨がそれぞれで働くことで、膝への負担軽減や可動性獲得、筋の発揮力獲得が行われていると同時に、悪くなった時には、それぞれのところで痛みとしてシグナルが発せられるのです。
このシグナルに気づくか?気にするか?で予後が大きく変わることは容易に想像できます。

もじゃ子
膝は上下からの負荷がかかって大変な関節なのね。
ぼーちゃん
負荷にも耐えながらも、大きく動かなければいけないから、とても複雑なバランスで成り立っているんだよ!

膝が曲げると痛い原因

膝を曲げると痛い原因には、だいたいが次のような病名が当てはまります。
鵞足炎、変形性膝関節症があり、これらが膝を曲げた時の痛みの代表的な病名でもあるので、これらの原因を紹介します。

鵞足炎

膝の内側には筋肉の腱が集合している部分があり、ここを鵞足と言います。そして鵞足付近にて腱と骨がこすれることで炎症を起こしてしまったものを鵞足炎といいます。名前的には珍しいように感じるかもしれませんが、実際はかなりの人数で鵞足炎を起こしているのを見かけます。

余談ですが腱が骨に付着する部分が鵞の足のような形をしているためこのような名前がつきました。
鵞足は腱と骨がこすれる位置なので炎症を起こしやすい部分と言えます。この部分に炎症が起こることを鵞足炎といいます。
こういった場合には曲げた時の痛みと伸ばした時の痛みが存在し、歩くときで言えば痛い方の足で片足になるところで痛くなるというのが多いです。

そもそも鵞足炎は、繰り返し腱と骨とがこすれることで発症するのですが、多いのが、サッカーやバスケットボールなどのスポーツによるものや、歩きすぎや股関節周囲の筋力低下によりその部分を膝の筋肉がかばうことによる過剰運動など様々な要因によって引き起こされます。

鵞足炎は、その名の通り鵞足部の炎症によって痛みが出ている状態なのでその痛い部分をアイシングしてあげるなど、安静をとってあげれば痛みが引いてきます。

スポーツをされている場合であれば、痛みが引いても炎症が残っている状態で運動を境すると再度痛みが出るなどで慢性化してしまう恐ればあるため、心配な場合は医療機関の受診をお勧めします。特に、超音波診断器(エコー)を置いてある整形外科クリニックであれば炎症が治まっているかどうかを確認することができるのでホームページなどで調べていくのがいいと思います。

もしも慢性化してしまっても理学療法士によるリハビリテーションとエコーによる確認によって改善に向かうことができるため、スポーツをされているようであれば比較的早期より、そう言った診療機関で診断してもらうのがいいかもしれません。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節の疾患の中では患者数が一番多く、O脚に変形してしまっている人が多いです。
老化現象や肥満・体重増加による負担の増加などにより関節にある軟骨がすり減っていくことで骨と骨とが衝突しあうようになってしまって痛みが生じるというものです。

関節にある軟骨のことをそのまま「関節軟骨」というのですが、ここには神経・血管・リンパ菅はなく、関節の中にある関節液によって栄養を受けています。そのため、損傷されても直接ではなく、間接的にしか栄養を受けれないため、修復がなかなかうまくいきません。

日々のストレスが着実に関節軟骨を擦り減らしていき高齢になった頃には痛みとして現れるほどすり減ってしまうというわけで、膝を曲げる動作では骨と骨がぶつかりやすくなるため、痛みも生じやすくなります。
ちなみに日本人に多い変形は内反変形と言われるO脚で内側の関節軟骨がすり減りやすく内側への痛みが中心。もちろん外反変形であるX脚では外側の軟骨がすり減りやすくなり、外側に痛みが出やすくなります。

変形性膝関節症に対する対処法としては、さすがに徒手によって関節軟骨を再生させるというのは不可能な話なのでそれは無理なのですが、できる限り関節軟骨の擦り減りを予防するということは可能となります。

何をするかというとやはり筋力トレーニングが必要になってきます。
もともと変形してきたというのも筋肉が低下してきて、筋肉による脚の安定化機構を骨による安定化へと切り替えてしまったことで起こってきたとも言えますので、また筋力を効かせられるようになればかなり有効な予防となります。

方法としては、寝た状態でも長座位(両足を伸ばして地面に座った状態)のどちらでも構いませんが、その状態から膝関節の裏を床にくっつけるように力を入れます。
この動作は膝関節を伸ばすというものになりますので、安定化に最重要である太ももの前側の筋肉に効いてきます。
また、足の安定化には太ももの前側で更に内側の筋肉が重要といわれていますので、床にくっつけるように力を入れるときに、できる限り内側に力を入れるように意識してください。
できるようであれば手で太ももの内側を触ってあげて力が入っているか確認するといいかもしれません。

膝の体操
もじゃ子
確かにスポーツ選手でも一般の人でも膝関節の痛みってよく聞くね。
ぼーちゃん
だからこそ安易に考えられがちだけど、とっても重要な関節だから異常を感じたら病院で検査してもらうことをお勧めするよ!

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