エンテロウイルスD68(EV-D68)症状と麻痺



皆さんはエンテロウイルスと言う言葉をご存知ですか? 一般的には馴染みの薄い言葉のようですが、赤ちゃんや小さな子どもさんがいる方ならば気をつけなければいけない病気の名称として聞き覚えがあるかもしれません。
今日はそのエンテロウイルスの中の一種、エンテロウイルスD68について調べてみました。
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エンテロウイルスD68(EV-D68)とは?

エンテロウイルスとは腸管で増殖するウイルスの総称で、ポリオウイルスや無菌性髄膜炎の原因となるエコーウイルス、または手足口病の原因となるエンテロウイルス(EV)71が属します。
その恐ろしいエンテロウイルス属の中でも、要注意とされているのがエンテロウイルスD68(以下EV-D68で表示します)です。昨年夏にアメリカで感染拡大してニュースになりましたが、近年は日本の子どもにも感染が増えているようで、原因不明の麻痺症状を訴えるケースが報告されています。

注意1:昨年アメリカで大流行を見せたEV-D68は、今年1月までに1153人の感染が報告され、その内14人が死亡したと伝えられています。
注意2:厚生労働省の発表によると、2015年8月から10月下旬において発熱等に伴う麻痺の症状が出た症例は、全国20の都道府県の子ども47人であるそうです。そしてその47人の内2人からEV-D68が検出されたそうです。
ぼーちゃん
なんだか怖い病気だね。
もじゃ子
死亡例があるなんてショックだわ。

EV-D68の症状には、どんなものがあるの?

EV-D68に感染した場合は、発熱や鼻汁、咳といった風邪に似た症状が始まります。この段階では夏場の風邪と見分けることが難しいため、しばらく様子を見ようと放置してしまうといったケースが見られます。
大人の場合はこの程度の軽い症状で治まってしまう場合がほとんどなのですが、赤ちゃんや小さな子どもの場合は要注意です。
しばらく放置する間にEV-D68の症状が進んでいくと、やがて喘息のような咳をするようになり、さらにひどくなってくると呼吸困難等の重度な症状を伴う肺炎等の症状を見るようになります。
EV-D68は最悪の場合に至る場合もあるので、親の目でしっかり見極めて、軽度の症状を見る内から専門医の診察を受けることを心がけておかねばなりません。

EV-D68による麻痺

EV-D68に感染した場合で恐ろしいのが、後遺症が残ってしまうケースです。報告によると手足に麻痺が表れる場合があるようで、風邪の症状とともに手足の一部が動かしにくい様子であれば、すぐに専門医の診察を受けるべきと思われます。
なお、EV-D68に関しては未だ研究途中で詳しい事はわかっていないのですが、弛緩性麻痺を発症した患者からEV-D68が検出されたという報告も上がっており、弛緩性麻痺との関連性も疑いが強まっています。

ぼーちゃん
麻痺が回復しない場合もあるなんて怖いよ。
もじゃ子
感染者は主に小さな子ども。親がしっかり注意しないといけないわ。

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