頭痛は10人に1人が悩まされる症状。
偏頭痛が一般的によく知られていますが、水毒症による影響もあります。
それだけではなく、硬膜下出血や脳腫瘍などが原因となって起こることも・・・。
そんな軽度から重篤と多岐にわたって症状として現れるのですが、中には咳をすることで頭が痛くなるという人もいます。
今回はそんな咳による頭痛の原因を解説していきます。
なぜ咳で頭痛が起こる?
頭痛にも色々な種類がありますが、その中でも咳によって頭が痛い場合にはどのようなことが考えられるのでしょうか?
そういった場合には「頭蓋内圧亢進」が考えられます。
頭蓋内圧亢進とは
頭痛が咳によって生じる場合の多くは、良性咳嗽性頭痛(りょうせいがいそうせいずつう)と呼ばれるものが当てはまります。これがどういったものかというと、咳をすることによって頭蓋内圧が高まってしまい、そのことによって頭痛が引き起こされるというもの。では頭蓋内圧亢進というのはどういった状態なのでしょうか?
頭蓋とは頭蓋骨のことです。すなわち、頭蓋骨の中の圧力が高くなってしまっているという状態が頭蓋内圧亢進ということです。頭蓋骨の中は、脳や神経・血管・脳脊髄液というものが収まっていて、ほぼ完璧に密閉されている状態。
そのため、外から押されるようなことでもあれば、容易に圧力が高くなってしまうのです。
わかりやすく説明すると、風船を想像してみてください。
風船の中も当然密閉されている状態です。そんな風船に対して、外からギュウギュウ押すと内圧が高くなって、その内圧にゴムが耐えられなくなった時に「パンッ」とわれるわけです。
頭蓋は風船のようにわれることはありませんが、そのような状態になっていると考えただけでも、痛くなりますよね。
これが、頭蓋内圧亢進です。
頭蓋内圧亢進と頭痛の関係①
ではなぜ頭蓋内圧が亢進することによって頭痛が起こるのでしょうか?
頭蓋内圧亢進とは?でも頭痛になることが少し分かったのではないかと思いますが、もうちょっと詳しく説明すると・・・。
頭蓋内圧が亢進すると、頭蓋や脳血管の痛覚受容体(血管にある痛みを脳で感じさせるセンサー)が圧迫されたり、することで頭痛が起きます。
頭蓋内圧亢進による頭痛は、早期起床時に最も強いと言われているのですが、これは長い時間の寝ていると、頭蓋内から心臓に戻っていく血液の量が少なくなってしまい、結果的に頭蓋内に残っている血液量が増えるためと言われています。
つまり、循環が悪くなり脳に残っている血液量が増える痛みのセンサーが過敏に反応して頭痛が起こる!というわけです。
頭蓋内圧亢進と頭痛の関係②
咳というのは、副交感神経との関係性も深いと言われています。
副交感神経とはリラックスする時に活躍する神経なのですが、実はこれが働くと気管が狭くなってしまうという特徴があります。実は気管が狭くなると咳が出やすくなってしまいます。
咳をする時には、特に上半身〜頭に「グッ」と力が入ってしまいます。
皆さんはやったことがあるかわかりませんが、子供の頃に息を止めて頭に力を入れるようにすると顔が真っ赤にすることができます。
これは何をやっているかというと血圧を急上昇させることで脳に血液が来ても、その血液が心臓に戻らなくなってしまい、血液が末端にとどまってしまうため真っ赤になってしまうのです。
重いものを持ち上げる時などにも見られますよね。
つまり、副交感神経が働きすぎることで咳も出やすくなってしまい、その影響で頭蓋内の血液循環も滞ってしまうことで、頭蓋内圧が上昇し、頭痛につながる!という流れです。
良性咳嗽性頭痛とは
実はこう言った【頭蓋内圧亢進と頭痛の関係】で説明してきたことを、良性咳嗽性頭痛と言います。
良性咳嗽性頭痛の特徴には次のようなことがあります。
症状
咳によって引き起こされる頭の両側面に起こる頭痛
誘因
咳、くしゃみや大笑いなど頭に力が入る動作
年齢・性別
40歳前後の男性に多いとされている
持続時間
1分程度
しかし、この良性咳嗽性頭痛は一過性の頭痛であるため、病院に行かなくても頭痛はなくなります。
逆を言えば、症状が継続する場合や、頭痛が強くなってくるという場合は、病院に受診してください。
対処法
頭蓋内圧亢進など良性咳嗽性頭痛に対処する場合は、インドメタシンが効果的!
インドメタシンには、炎症を抑える作用・鎮痛作用があるとされる成分が含まれています。
そのため、インドメタシンが含まれた薬を薬局などで用意しておきましょう!
そのため、少しでも症状が強いなと感じたらすぐに薬を飲むことをお勧めします。
ただしあまりにも症状が強い場合には、絶対に病院に行ってくださいね。