肉といえばやっぱり牛肉!レストランや食卓での牛ステーキはテンションがあがります。
私たち日本人にも代表的な肉の1つですが、美味しいだけでなく健康美容にもいいんですよ。もちろん!
ロース肉(肩ロース、サーロイン、リブロース)
牛肉の背肉部位を英語で「ロース」というんだと思っていませんか?
実は、roast「ロースト(焼く)に適した肉の部位」を意味から作られた和製英語なのです。
牛ロースは2種類あります。
1)「肩ロース」は、肩の部分にあるロース部位で、きめ細かい肉質と柔らかい風味があり、お料理は煮込み料理やステーキなどです。
2)「リブロース」は、肩ロースから続く筋肉(胸最長筋)の部分で霜降りが入りやすく肉質も優れているので、しゃぶしゃぶやローストビーフで美味しくいただけます。
・サーロインは高血圧に効果的
牛肉のたんぱく質は血管をしなやかにします。
タウリンは血圧を下げる効果が期待できます。
油にオレイン酸が含まれ、動脈硬化や心疾患の予防と改善が期待されます。
ブロッコリーなど緑黄色野菜は血管の老化を防ぐβカロテンを含んでいます。
また、ブロッコリに含まれているカリウムはとり過ぎた塩分を排出してくれます。
タマネギは牛肉のビタミン吸収を助けるアリシンを含んでいます。
ダイコン卸しは、たんぱく質の消化吸収をたすけるプロテアーゼを含んでいます。
これらの野菜と一緒に食べることをおすすめします。
タン
英語の舌はtongue(意味:舌)といい、発音がタンに近く「牛タン」と名付けられました。
栄養素は、タンパク質や鉄分そしてタウリン(アミノ酸の一種)など体づくりに欠かせません。
脂肪は少なく、血圧を下げる効果があります。
・ストレス解消
ストレス解消ホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンの合成にかかわるパントテン酸が含まれています。
タンシチュー、タンでつくったチンジャオロースがオススメです。
牛すじ
牛のアキレス腱からとれる部位肉を「牛スジ」といいます。
独特の臭みと肉質は硬いですが旨味が凝縮しています。
肌トラブルの改善などの美容効果
美容ビタミンといわれるビタミンB群が豊富にふくまれています。
・コラーゲンが豊富 肌の土台を作る働きがある
・コラーゲン同士をくっつけるエラスチンが含まれている
・肌をみずみずしく保つヒアルロン酸が含まれている
ビタミンB群は脂質の代謝を促し、肌バランスを整える働きをしています。
乾燥肌や脂性肌などの肌トラブルはビタミンB群の不足が原因のひとつだといわれています。
美肌に欠かせない栄養素なのです。
脳細胞を包んでいる膜は、その成分のおよそ4%がアラキドン酸だということです。
アラキドン酸が減ると元気がなくなったり認知症につながるといわれています。
アラキドン酸は幸せ物質であるアナンダマイドを作ります。このため、牛肉を食べると幸せな気分になるともいわれているのです。
牛すじ煮込み
長時間煮込むことで柔らかいトロトロ牛肉に変わります。圧力鍋を使うと短時間で簡単に柔らかい牛スジ肉ができあがります。
カルビ(バラ)
本場韓国でもカルビは人気No.1!焼肉の定番ですね。
疲労回復
・疲労回復に効果的なビタミン12が含まれています。
ハラミ
ハラミは部位によって名称が違います。
・横隔膜の薄い部分(背中側)を「ハラミ」
・厚い部分(肋骨側)を「サガリ」
見た目は赤身のようですが、実は肉を卸すとき、肺が付いているので、内臓肉の部類になっているんです。
ほどよい脂肪と柔らかい肉質が焼肉に人気ですが、煮込み料理にもむいています。
レバー
貧血予防にはレバーがいい!これは多くの人が知っています。
内臓の中で最も柔らかく、栄養素が豊富、たとえばタンパク質や鉄分、葉酸などが含まれています。
葉酸や鉄分は造血を助ける働きがあるのでレバーは貧血予防にいいと言われるのですね。
●夏ばて
エネルギーを作り出すB1が豊富です。また鉄分・亜鉛・銅・ビタミンB12も含まれていて貧血の予防にもなります。
ニラにはアリシンが含まれてB12の吸収を助けるのでレバニラ炒めがおすすめです。
牛の胃
●ミノ
牛の第1胃のことです。
肉が厚く純白に近い白色で、切り開いた形が蓑傘に似ていることから「ミノ」と呼ばれています
淡白な味わいですが、とても固い部位です。包丁で切り込みを入れないと食べにくいでしょう。焼肉や刺身に使われます。
●ハチノス
牛の第2胃です。
名前のとおり、形が「蜂の巣」に似ています。
中国やイタリア、日本でも焼肉やユッケ、炒め物など色々な料理に使われます
●センマイ
牛の第3胃のことです。
センマイという言葉は韓国語が語源で、内壁のボツボツ状の襞のイメージを千葉(チョニョブ)というのですが、千葉が千枚の意味なのだそうです。
焼肉や刺身といった料理で食べられます。
●ギアラ
牛の第4胃のことです。
語源は諸説あるそうですが、ギャラ(報酬)が訛ったという説が有力らしいです。
肉厚で歯ごたえがあり、赤みがかった色にほどよくついた脂肪の甘みと、濃厚な旨味が焼肉や煮込み料理に合います。
骨を強くするビタミンKを含んでいるので、成長盛りの子供や年配の方には食べてほしいですね。
ヒレ
ロースと背肉の内側にある筒状の肉で、1頭の牛から60センチほどの大きさのものしか取れないので、かなり高価な部位です。
ほとんど運動しない筋肉の部分で肉質はきめ細かく柔らかく、脂肪が少ないです。
肉の中では低脂肪・高タンパクの上、鉄分が多いので、健康面でおすすめです。
●注目成分
タンパク質、鉄(ヘム鉄)、ビタミンB1
牛肉の赤身に豊富に含まれている“L-カルニチン”は、脂肪を効率よくエネルギーに変える働きをします。
脂肪の燃焼をサポートするダイエットに効果的な成分と注目されています。
さらに、糖の分解をサポートして疲労回復に効きます。
筋肉を増やし代謝もアップするロイシンが含まれています。
滋養強壮・貧血予防にも効果的です。
肉質もやわらかくクセもありませんので、ステーキにすると美味しいですが、加熱しすぎると、肉がかたくなり消化にも良くありません。
テール(牛の尻尾)
●夏風邪
テールは脂肪がたっぷり、脂質はサーロインの2倍で、体温の上昇で免疫を高めます。
また、ミネラル・亜鉛が含まれているため、かぜのウィルス増殖をとめ炎症を抑えてくれます。
夏風邪にはエネルギー不足がちなので、テールスープがおすすめです。
栄養バランスが優れている牛肉
肉は皮膚や髪の毛、血液、内臓、筋肉などを構成するのに欠かせないタンパク質が豊富に含まれています。
タンパク質は約20種類のアミノ酸でできていますが、その中の9種類(必須アミノ酸)は体内で作ることができないため、食べ物から摂取しなければなりません。
その栄養価は、必須アミノ酸とアミノ酸のバランスによって決まります。牛肉はこのバランスが良く、カラダの組織作りに最も良いとされている良質なタンパク質が他の食品に比べると多く含まれています。
牛肉の賞味期限・カロリー・副作用
●賞味期限
肉の形状や季節、購入したときの鮮度によって大きく変わりますが、目安としては、2時間~数時間くらいだそうです。
空気に触れないように常温保存はしないで、冷蔵庫にいれて保存しましょう。
塊(ブロック)のものが一番保存が長く、スライスされていくほど短くなり、ひき肉が一番持ちません。
●牛肉アレルギー
牛肉アレルギーを持つ人は、抗がん剤「セツキシマブ」の投与でアレルギー反応を起こしやすく、牛肉とセツキシマブの双方に含まれる成分が原因で、投与された患者がショック症状で死亡した例もあります(島根大学の研究報告)
体作りに欠かせない栄養を豊富に含んだ牛肉は100gあたりおよそ371Kcalです。
1日に食べる量の目安は70g。できれば毎日摂ると良いといわれていますが、食べすぎは良くありませんね。
摂取目安量を考え、バランスのよい食事をしたいものです。