皆さんはエンテロウイルスと言う言葉をご存知ですか? 一般的には馴染みの薄い言葉のようですが、赤ちゃんや小さな子どもさんがいる方ならば気をつけなければいけない病気の名称として聞き覚えがあるかもしれません。
今日はそのエンテロウイルスの中の一種、エンテロウイルスD68について調べてみました。
エンテロウイルスD68(EV-D68)とは?
エンテロウイルスとは腸管で増殖するウイルスの総称で、ポリオウイルスや無菌性髄膜炎の原因となるエコーウイルス、または手足口病の原因となるエンテロウイルス(EV)71が属します。
その恐ろしいエンテロウイルス属の中でも、要注意とされているのがエンテロウイルスD68(以下EV-D68で表示します)です。昨年夏にアメリカで感染拡大してニュースになりましたが、近年は日本の子どもにも感染が増えているようで、原因不明の麻痺症状を訴えるケースが報告されています。


【都内の病院 20人以上からエンテロウイルス】
今年夏以降、せきなどの症状のあと原因不明の体のまひを訴える子どもが相次いで報告され一部から「エンテロウイルスD68」が検出されていました https://t.co/sHzn6LDnjY pic.twitter.com/ohfNx3JTWl
— NHK生活・防災 (@nhk_seikatsu) 2015, 10月 29
EV-D68の症状には、どんなものがあるの?
EV-D68に感染した場合は、発熱や鼻汁、咳といった風邪に似た症状が始まります。この段階では夏場の風邪と見分けることが難しいため、しばらく様子を見ようと放置してしまうといったケースが見られます。
大人の場合はこの程度の軽い症状で治まってしまう場合がほとんどなのですが、赤ちゃんや小さな子どもの場合は要注意です。
しばらく放置する間にEV-D68の症状が進んでいくと、やがて喘息のような咳をするようになり、さらにひどくなってくると呼吸困難等の重度な症状を伴う肺炎等の症状を見るようになります。
EV-D68は最悪の場合死に至る場合もあるので、親の目でしっかり見極めて、軽度の症状を見る内から専門医の診察を受けることを心がけておかねばなりません。
【子供の原因不明のまひ調査へ】8月以降、原因不明の体のまひを訴える子どもが相次ぎ、2人から「エンテロウイルスD68」を検出。厚労省が症例集積へ。 https://t.co/kj6eD4Yger
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) 2015, 10月 28
EV-D68による麻痺
EV-D68に感染した場合で恐ろしいのが、後遺症が残ってしまうケースです。報告によると手足に麻痺が表れる場合があるようで、風邪の症状とともに手足の一部が動かしにくい様子であれば、すぐに専門医の診察を受けるべきと思われます。
なお、EV-D68に関しては未だ研究途中で詳しい事はわかっていないのですが、弛緩性麻痺を発症した患者からEV-D68が検出されたという報告も上がっており、弛緩性麻痺との関連性も疑いが強まっています。

