お豆腐の絹と木綿の違いは?みさなんはどっちは?



日本の伝統食品であり、海外でも注目を浴びている「豆腐」。
スーパー等の食料品売り場へ足を運ぶと、

「絹豆腐」「木綿豆腐」

――と、二種類の豆腐を目にします。

幼い頃、「お豆腐を買ってきて。種類を間違えないようにね」
……とおつかいの経験を持つ方もいらっしゃるかも知れません。

かくゆう筆者も買い物メモを何度も見ながら、
種類を間違えないよう、慎重にレジへ持っていった記憶があります。

今回の記事では「絹豆腐」「木綿豆腐」の違いについて取り上げたいと思います。

【少々分かりにくい二種類の豆腐】

実際に両者の違いが分かりにくいという声も聞かれます。

絹豆腐は「絹の布でこす」から「絹」、
木綿豆腐は「木綿の布でこす」から「木綿」という誤解もあるそうです。

【両者の由来】

舌触りの違いが「絹豆腐」「木綿豆腐」の由来とされています。
滑らかでつるんとした絹豆腐、
一方、しっかりとした味わいと食感があるのが木綿豆腐です。

「豆腐」といえば絹・木綿――と代表的な二種類の豆腐ですが、
料理の用途や口にする人の嗜好等にあわせて使い分けられることが多いとされています。

絹豆腐の「絹」は一種の比喩表現であり、
絹の布でこしたような滑らかさ・きめ細かさを表しているのだそう。
実際に絹でこしているわけではないのですね。

【なぜ、舌触りに違いが出る?】

舌触りに変化が生じるのは、製造方法が異なるため。
水分をしぼった後に固めたり、加えられる凝固剤の濃さが違ったり、
両者の製造方法には大きく差があります。

もめん豆腐は、豆乳に凝固剤を加えて一度固めたものをくずしてから、圧力をかけて水分をしぼり、再び固めたものです。
一方きぬ豆腐は、もめん豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤を加えて、そのまま固めて作ったものです。

(引用先:http://www.tofu-as.jp/tofu/howto/03.html

両者の違いは製造方法とそれに伴って変化する舌触りといえます。

【凝固剤とは?】

諸所、化学的要因が混じるため、少々取っ付きにくいかもしれませんが,
製造過程で使われる凝固剤について見てみることにしてみましょう。

凝固剤として使用されるのは
「塩化マグネシウム・塩化カルシウム・硫酸マグネシウム・硫酸カルシウム」です。
これらを加えることで豆乳タンパク質を凝固させることができるとされています。

しかし、この加工法や分子構造には謎が多く、
研究テーマとして設けている研究室も存在します。

そんな豆腐の秘めた謎の一つを
「絹ごし豆腐と木綿豆腐の運命づけ」とし、
分子機構を明らかにしたとのレポートもあります。

現在の絹ごし豆腐と木綿豆腐は食品工業的には加工法が異なりますが、古来より同じ豆乳から作り分けができると経験的に分っていました。しかし、その分子メカニズムは明らかではなく、研究室では世界で始めて、運命づけのキーファクターが添加剤濃度にあることを明らかにしました。
(引用元:http://www.mukogawa-u.ac.jp/~arii/Arii_Lab./Team_tofu.html

【それぞれの調理法】

滑らかで柔らかな「絹豆腐」はお味噌汁やお吸い物など
お豆腐本来の味を楽しめる調理法がおすすめ。
他にも「ふわふわ」な風味を生かしたお料理もあるようです。

固めで大豆の味が濃い「木綿豆腐」は用途が広く、
冷奴のようなシンプルなものからステーキ風にアレンジしたものなど
レパートリーが非常に広い、優秀なお豆腐です。

[木綿豆腐の料理例]

[絹豆腐の料理例]

【お豆腐は「絹」か? 「木綿」か?】

株式会社ドゥ・ハウス(東京都港区 代表取締役:稲垣佳伸)では、自社のネットリサーチサービス『myアンケートlight』にて20代~60代を対象に、「豆腐」に関するアンケートを実施いたしました。調査期間は2013年11月12日(火)~2013年11月18日(月)。有効回答は1,985名から得られました。

(引用先:http://www.dohouse.co.jp/news/research/20140214/

この調査結果によると
「調理の際に使用する豆腐に対する好みに、さほど差はない」とのこと。

「絹豆腐」と「木綿豆腐」どちら派か? というと、

「絹豆腐」については、「どちらかといえば絹派(2位:21.4%)」と「断然、絹派(3位:16.6%)」が合わせて38.0%、「木綿豆腐」については、「どちらかといえば木綿派(4位:11.7%)」「断然、木綿派(5位:6.0%)」が合わせて17.7%となり、“絹”が“木綿”を上回りました。

また、調査した7都道府県(北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県)別に見ると、全体で1位の「絹も木綿も両方OK」と2位の「どちらかといえば絹派」は、どの都道府県でもあまり差がなく、全国的に見ても豆腐の好みの差はあまりないと言えそうです。しかし「断然、絹派」では、大阪府が最も多く21.7%で、最も少なかった広島県の11.9%と約10ポイントの差がありました。

(引用先:http://www.dohouse.co.jp/news/research/20140214/

という結果となり、都道府県別で見ても好みの差はほとんど無いようです。

歯ごたえ・しっかりとした食感を得たい、
形が崩れにくいので調理がしやすいものが良い、といった場面では木綿。

つるりとしたのど越しを得たい、
あまり重たくない調理をしたいという場面では絹。

――と、使い分ける家庭も多いようです。

【著者の考え】

凝固剤の項目から、古くから豆乳を使用・加工を行い、
多種類の豆腐を作っていた過去が伺えます。

参考にさせて頂いたサイトさんの中で、がんもどきの由来に
「戒律の厳しい僧侶達の肉料理への憧れがあるのではないか」
(カモの肉に似ていることから「雁擬き」となった)

――とされる文面があり、どこか親しみを覚えてしまいました。

豊富な種類の豆腐が作られたのは、
もしかしたら、様々な料理文化に対する憧れの気持ちがあったのではないかと
勝手ながら想像を巡らせる次第です。

[参考]————————————————

日本豆腐協会「豆腐の原料・作り方」
http://www.tofu-as.jp/tofu/howto/03.html

マイナビニュースニュース テクノロジー
「大豆がOKな人も豆乳でのアレルギー症状に注意 -国民生活センターが呼びかけ」
http://news.mynavi.jp/news/2013/12/06/351/

ライフサイエンスプロジェクト
http://life-science-project.com/

高校で学習する化学の内容のコラムをまとめています。
化学コラム
http://www.rainbow-chaser.info/?page_id=180

有井研究室へようこそ
「美味しく」、「安全に」、「健康に」をテーマに
マクロからミクロまで様々な研究にチャレンジ
http://www.mukogawa-u.ac.jp/~arii/Arii_Lab./Welcome/Welcome.html

くぼさんのとうふ ~国産大豆100%のこだわり豆腐~
http://www.kubosannotofu.co.jp/type.html

豆腐の種類
http://www.aiweb.or.jp/otoufu/htm/shurui1.htm

株式会社ドゥ・ハウス
「豆腐」に関する調査結果を発表
→自宅で食べる豆腐の種類、“絹”が“木綿”を上回る
→好きな豆腐料理は『麻婆豆腐』
http://www.dohouse.co.jp/news/research/20140214/

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