機能性表示食品とは何か?制度と問題点に迫る



6月に入ってから機能性表示食品と呼ばれる商品の発売が始まりました。新しい制度として新たなチャンスになるという期待の声がある一方、制度に疑問を投げかける声も。今回は機能性表示食品に迫ります。

機能性表示食品とは? その制度は?

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機能性表示食品とは、新しく制定された機能性表示制度のことです。事業者の責任において科学的根拠をもとにパッケージに食品の機能性を表示するものとしています。同じようなものとしてトクホが知られていますが、機能性表示食品はトクホとは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたわけではありません

この制度は、機能性を分かりやすく表示し、消費者が正しい情報を得て適切な選択を行えるようにと定められたものです。機能性の表示は例えば「お腹の調子を整える」「脂肪の吸収を穏やかにする」などといった形で表示されます。トクホは厳しい審査と消費者庁長官の個別の許可が必要ですが、機能性表示食品の場合はそういったことはなく、書類さえ揃っていれば審査をパスすることができます。こうしたハードルの低さが新たな商業的なチャンスにつばがると期待されているのです。

安全性と機能性の確保は大丈夫なのか?

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機能性表示食品の安全性は、事業者が商品発売前の60日前までに届け出た各種情報をウェブサイトに表示することで確保するとしています。また、食経験や既存情報の調査、安全試験の実施も行われるとしています。

機能性は、臨床試験かそのレポートの文献調査によって確保されるとしています。「どのような科学的根拠に基づいて」「どのような人が」「どのように摂取すると」「どのような機能性があるのか」が明らかになのです。

機能性表示食品の問題点

機能性表示食品はまだ開始したばかりの制度ですが、どのような問題点があるのでしょうか。大きく以下の3つにまとめられます。
・事業者が安全であると主張すればそれで通ってしまう。統一された評価の基準がない。
科学的根拠がどこまで科学的なのかが不明である
・重要な文章が裏面に掲載されたり、小さく表示されたりと、表示の方法が消費者の誤解を招きかねない
どうも、全体的に第三者的な視点が欠けているように思えます。現状では安全性は事業者側が届け出ている情報が正確であることに期待するしかなく、事業者のモラルが頼りとなっています。どこまで情報を公開するのか、制度が開始された現状では手探りであり、まだまだ様子を見る必要はありそうです。

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